「元の自分に戻れない」と感じるとき|AEDP®が考える「心の金継ぎ」と回復

自分のトラウマ体験から気づいた、「金継ぎ(きんつぎ)」の感覚

「この体験がなかった頃の自分に戻りたい」

大きな傷つきや喪失、人間関係での痛みを経験したあと、そんなふうに感じることがあります。

けれど、回復とは、ただ「元通りになる」ことだけではないのかもしれません。

私自身も、複数のAEDP®(加速化体験力動療法)レベル3セラピストの方からセッションを受けてきました。その中で、自分のトラウマ体験について気づきを得た瞬間があります。

私はセラピストにこう話しました。

「この体験がなくなるわけではないから、全く同じ自分に戻れるわけではないけれど、この体験を抱えている自分でいい。それは新たな自分で、より深みのある人間になっていける感じがします。
ちょうど、割れてしまった陶磁器を金継ぎという手法で修復すると、以前とは違った魅力をもつ作品になるように。」

すると、セラピストはこう言いました。

「まさにその通りですね。ダイアナもよく日本の金継ぎを例に出すのですが、ダイアナの話を聞いたことがあるのですか?」

当時、私はまだダイアナ・フォーシャ(AEDP®創始者)のワークショップなどを受講したことはありませんでした。

それでも偶然にも、彼女と同じようにトラウマ体験の修正的感情・関係性体験を「金継ぎ(金繕い)」のようだと感じていたことに、驚きと喜びを覚えました。

——自分が感じてきたものと、AEDP®の大切にしていることが深く重なっている。

この体験は、AEDP®を軸に臨床を深めていこうという感覚が、私の中で確かなものとなった瞬間のひとつでした。

なぜ私はAEDP®にこれほど惹かれるのか

ホームページの文章を書き直していたとき、改めて「なぜ自分はAEDP®にこれほど惹かれるのだろう」と考え、この体験を思い出しました。

私がAEDP®に惹かれたのは、技法としての新しさではありません。

「人の内側には、本来、治癒や回復へ向かう力、より良くあろうとする力が備わっている」

そう信じる、その姿勢そのものに強く惹かれたのです。

たとえ壊れたように見える部分(傷つきやトラウマ)があったとしても、その人の中には、生き延びてきた強さや美しさ、決して壊れることのない健やかな部分(intactness) が存在しています。

回復とは、傷を消して元通りになることではなく、傷つきを抱えたまま、新しい意味や深みを持って生きていけるようになることなのかもしれません。

それはまるで、「金継ぎ」のように、ひび(痛み)を隠さず受け止め、そこに新しい輝きを見出していくプロセスです。

AEDP®創始者ダイアナ・フォーシャが語る「傷ついた場所でより強くなること」

AEDP®の創始者ダイアナ・フォーシャは、この考えを次のような言葉で表現しています。

"There is no better way to capture the ethos of AEDP than to say this:
we try to help our patients and ourselves become stronger at the broken places.
By working with trauma, loss, and painful consequences, we discover places that have always been strong, places that were never broken."

— Diana Fosha

(AEDPの精神をこれほどよく表す言葉はありません。——私たちは、傷ついた場所でより強くなれるように、クライエントと自分自身を支援しようとしています。トラウマや喪失、痛みを伴う出来事に向き合うことで、実はずっと強かった部分、決して壊れていなかった場所を見いだすのです。)

この言葉に、私は何度も勇気づけられてきました。

人は、壊れたところからこそ、美しく、しなやかに、もう一度立ち上がることができる。

私はそう信じています。

傷つきと共に生きる、新しい感覚を見つめるカウンセリング

もし、

  • 傷ついた経験から前に進めない

  • 「昔の自分」に戻れない感覚がある

  • 人との関係で深く傷ついた体験を抱えている

  • 自分を責め続けてしまう

  • 生きづらさや、うまく言葉にならない違和感がある

そんな思いを抱えているなら、その傷つきと共に生きる新しい感覚を、一緒に見つめていけるかもしれません。

東京・市ヶ谷/麹町にて、感情や身体感覚を丁寧に扱う体験型の心理カウンセリングを行っています。

大きな問題でなくても構いません。

「なんとなく苦しい」
「安心できない」
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そんな感覚からでも、ご相談いただけます。

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※本記事で触れているAEDP®に関する内容は、私自身の学びと体験に基づく個人としての発信です。特定の団体や組織の立場を代弁するものではありません。

町田美佳(臨床心理士・公認心理師)

臨床心理士・公認心理師。AEDP®Level 3セラピスト。25以上、医療・教育・行政領域で心理支援に従事。CBT、AEDP®を学び、市ヶ谷・麹町・四ツ谷エリアで対面およびオンラインの心理カウンセリングを提供。対人支援職向け体験会「静かな共鳴を味わう時間」主宰。

https://mikamachida.com
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