カウンセリングは何回くらい受ける必要がありますか?
「カウンセリングは、何回くらい受ければよいですか?」
「どのくらいの期間、通うことになりますか?」
という質問をいただくことがあります。
カウンセリングには時間も費用もかかりますから、どのくらい続けることになるのかは、気になることだと思います。
一概に「何回必要です」とお答えすることは、残念ながらできません。取り組みたいことや、抱えている問題の大きさや複雑さ、現在の生活状況などによっても変わるからです。
ただ、私のこれまでの臨床経験では、初回から何らかの変化を感じる方も少なくありません。そして4〜5回くらいお会いすると、クライエントの方自身にも「以前とは少し違う」と感じられるような変化が見えてくることが多いように感じています。
これは、「4〜5回受ければカウンセリングが終わる」という意味ではありません。
初回から変化が起きることもある
私が臨床の軸にしているAEDP®️は、今ここで起きている感情や身体の感覚、カウンセラーとの間で起きていることにも丁寧に注意を向けながら進めていく心理療法です。
そのため、初回のカウンセリングでも、
「こんなふうに自分の気持ちを感じたのは初めてだった」
「自分の中に、こんな気持ちがあったんですね」
「ずっと一人で抱えていたんだと初めて気づいた」
と、それまでとは少し違う体験が起きることがあります。
一回のセッションの中でも小さな変化は起こりますし、ときには初回から、ご本人にとってかなり大きな変化を感じることもあります。
けれども、一度大きな変化が起きたからといって、それですべての問題が解決するわけではありません。
カウンセリングの中で起きた変化が、その後の日常生活の中でどのように現れてくるのか。似たような出来事が起きたときに、以前とは少し違う感じ方や関わり方ができるのか。
そうしたことも見ながら、カウンセリングは進んでいきます。
4〜5回くらいで、見えてくる変化
私のこれまでの経験では、4〜5回くらいお会いすると、一回一回のカウンセリングの中で起きていた変化が日常生活にも現れ、ご本人にも「以前とは少し違う」と感じられるようになることが多いように思います。
たとえば、
「嫌なことを、嫌だと感じられて相手に言えた」
「いつも相手のことばかり考えていたけれど、自分はどうしたいのかを考えるようになった」
「つらいときに、以前ほど一人で抱え込まなくなった」
といった変化です。
困っていること自体が、すべてなくなっているわけではないかもしれません。
それでも、同じ問題に向き合う自分自身が、以前とは少し変わっていると感じられることがあります。
そして、その変化が見えてくることで、その先に取り組みたいことも少しずつ見えてくることがあります。
変化することで、もっと根本にあるテーマが見えてくることもあります
カウンセリングを始めたときには、
「職場の人間関係がつらい」
「人にどう思われるかが気になってしまう」
「自分に自信がない」
といった、今困っていることについて相談に来られることが多いと思います。
ところが、何度かカウンセリングを重ね、自分の感情や反応について少しずつわかってくると、
「自分がずっと苦しかったのは、こういうことだったのかもしれない」
「いつも同じようなことを繰り返していたのは、ここに理由があったのかもしれない」
「自分にとって本当に苦しかったのは、こちらだったのかもしれない」
と、それまで困っていたことの奥にある、もっと根本的なテーマに気づくことがあります。
問題が増えたというより、自分自身のことがわかるようになったからこそ、それまで見えていなかったものが見えるようになったとも言えると思います。
そうすると、
「ここまで見えてきたのだから、このことにもう少し取り組んでみたい」
と、カウンセリングを続ける方もいます。
「ここからは自分で試してみたい」と終了する方もいます
一方で、ある程度の変化が起きることで、
「ここからは自分でやっていけそうな気がする」
「カウンセリングの中で気づいたことを、日常生活の中で試していきたい」
という気持ちが強くなる方もいます。
その場合には、いったんカウンセリングを終了することもできます。
私のカウンセリングでは、もう少し根本的なテーマに取り組みたいと継続する方も、ある程度の変化を感じて「ここからは自分でやってみたい」と終了する方も、どちらも珍しくありません。
また、終了したからといって、「もうカウンセリングを受けてはいけない」ということでもありません。
いったん日常生活の中でやってみて、また何かにぶつかったときに相談に来られる方もいますし、数か月に一度くらい、フォローアップのような形でお会いする方もいます。
カウンセリングには、いろいろな使い方があってよいと思っています。
その後どうするかも、カウンセリングの中で一緒に考えます
「4〜5回目に、今後について決めます」というように、決まった回数で機械的に判断しているわけではありません。
実際には、カウンセリングの流れの中で、
「最初にお会いした頃とは、ずいぶん変わってきましたね」
「ここからは、ご自分で試してみたいという感じも出てきているようですね」
「一方で、今まで困っていたことの奥に、もっと大切なテーマが見えてきた感じもしますね」
と、私から感じている変化を言葉にしてお伝えすることがあります。
それについてクライエントの方がどう感じるのかを伺いながら、その後どのようにカウンセリングを続けていくのかが、自然に話題になり、方向が決まっていくことが多いです。
カウンセラーが「まだ続ける必要があります」と一方的に決めるのではなく、実際にどんな変化が起きているのかを二人で確かめながら、ここからどうしたいのかを一緒に考えていくことを大切にしています。
同じ回数でも、頻度に応じてかかる期間は変わります
「何回受けるか」と「どのくらいの期間がかかるか」は、カウンセリングの頻度によっても変わります。
たとえば4〜5回お会いするとしても、週1回なら1か月ほど、隔週なら2か月ほど、月1回なら4〜5か月ほどになります。
私のオフィスでは、特にご希望がなければ、最初の数回は週1回程度から始めることをおすすめしています。
一方、月1回程度で受けることもできます。その場合には、カウンセリング全体の進み方も、よりゆっくりになることが多いと思います。
頻度については、別のQ&A「カウンセリングの頻度はどのくらいがよいですか」で詳しくお伝えしています。
必要な回数や期間は、その方によって違います
もちろん、すべての方に4〜5回で同じような変化が起きるわけではありません。あくまで一つの目安です。
最近起きた出来事について整理したい場合と、長い間繰り返してきた人間関係のパターンについて取り組む場合とでは、必要になる時間は違います。
これまで一人で抱えてきた体験が多い場合や、現在の生活そのものがとても大変な時期には、安心してカウンセリングに取り組めるようになるまでに時間が必要なこともあります。
反対に、一度話すことで気持ちが整理されたり、数回で十分だと感じたりする方もいます。
また、最初に困っていたことが落ち着いたあとも、
「自分自身のことをもっと知りたい」
「これまで気づかなかった自分の力を見つけていきたい」
「人との関わり方を、もう少し深く見つめてみたい」
と、自分自身を見つめ直すためにカウンセリングを続ける方もいます。
この場合には、「問題が解決したら終了」というより、ご自身をより深く理解していくために、カウンセリングを継続して利用するという選択もあります。
回数についての希望があれば、お伝えください
カウンセリングを始める前に、「自分には何回必要なのか」を正確に知ることは難しいと思います。カウンセラーである私にも、最初から正確に予測することはできません。
一方で、
「まずは5回くらい受けてみたい」
「10回くらいを目安に考えたい」
「3か月くらいで、できるところまで取り組みたい」
といったご希望があれば、最初にお伝えいただいて大丈夫です。
その回数や期間の中で、何に取り組むことができそうかを一緒に考えることができます。
実際にカウンセリングを始めてみると、初回から変化が起きることもあれば、何度かお会いする中で少しずつ変化が積み重なっていくこともあります。
そうした変化の中で、さらに取り組みたいことが見えてくることもあれば、「ここからは自分でやってみたい」と思うこともあります。
そのときには、最初に考えていた回数にかかわらず、これからどうしたいかを改めて一緒に考えていきます。
最初から「何回通う」と決めてしまう必要もありませんし、いったん決めた回数に縛られる必要もありません。
ご自身の生活や費用のことも含めて、今の自分にとってどのような受け方がよいのかを相談しながら進めていくことができます。